久遠の絆

「ばばさまと女の子の無事を祈りましょう」


ニアスはそう言う事しか出来なかった。


「それで、マトさんが会いたいと思っている人って」


「ああ、できれば偉ければ偉いほどいいんだが。同盟の首脳と交渉できるくらいの力を持っている人物」


「じゃあ、僕のカイルさまがうってつけだけど」


「ニアスは……元帥閣下のお側に仕えてるって。そんなに近い間柄なの?」


マトの目に途端に畏怖するような光が灯った。


帝国の民人にとって元帥という存在は、皇帝と同じくらい遥か彼方の、まさに雲の上の存在だからだ。


「でも今は戦争に掛かりきりでおられるんだろ。俺達みたいな庶民に会って下さるだろうか?いくらニアスの口利きがあっても……」


無理ではなかった。


ニアスの頼みなら、大抵のことは叶えてくれる人なのだ。 


カイル・アルファラという人は。


それだけ、ニアスという少年がカイルにとって特別だということだろう。


「かえって他の方のほうが、僕は話しづらいな。
手っ取り早くカイルさまに話してみよう。カイルさまは必ず首都におられると思うし」


でもそうなったら、何故自分が前線にいないのかを訊かれることになるんだろうなあと思い、ニアスはちょっとだけ背筋を寒くするのだった。














翌朝3人はいよいよ船に乗り首都へ向かった。


首都に着いたらすぐに、元帥に会う。


そして大切なものを奪い返そう。


マトの胸は希望に膨らむ一方だった。