久遠の絆

何度か休憩を取りながら行くうちに、港町に辿り着いた。


ここは前線とは逆の方向にあり、いまだ平和な時が流れていた。


「ここから川を遡ると首都に辿り着く。ジャングルの川のように途中に滝があったりしない、穏やかな大河だ」


賑わう市場を抜けながら、マトはニアスに説明している。


「ああ、つまりこれが首都の運河まで続いているんですね」


「そういうこと」


もうすでに日が傾きかけている。


(長い一日がようやく終わるんだ)


ニアスは妙に感慨深くなっていた。


本当にいろいろなことのあった一日だから。


明日はもっと良いことが待っていればいい。


まだ明日に希望が持てる気分であることが救いだった。


ニアスの足の怪我の影響で思うように旅程は進まず、大河を遡る蒸気船の運航は終了し
ていた。


3人は明日一番の便を予約して、今夜はこの町に宿泊することにした、ほどなく適当な


安宿を見つけ部屋に落ち着くことができた。


宿の階下にある大衆食堂で食事を取っていると、ふとマヤが顔を上げ、


「明日にはお偉いさんに会えるってことはないんだろ?」

と懸念を口にした。


マトはニアスを見た。


「相当の手続きを踏まなくてはならないんだろうか。俺達には一刻の猶予もないんだが……」


「そもそも兄さんはなんで首都に行こうと思ったのさ?あたしには詳しいことひと言も言わずに、ばばさまのことでって、それだけで。ばばさまのことで行くんなら、あたしも一緒にと思って付いて来たんだけど」


「ばばさまは……高名な占い師なんだ」


「それは知ってる。どこぞの貴族だっていう人まで、たまに占ってもらいに来てたくらいだもん」