久遠の絆

「それは、ばばさまや女の子を連れて行かれたから?」


他のふたりが目を剥いた。


「さっき広場で話している人がいたんだ」


「兄さん」


「彼らは事情を知らないんだ。だから君も忘れて欲しい」


「首都に行って誰に会うの?」


「早く行こう、兄さん」


マヤという少女は、とにかくニアスのことを疎ましく思っているらしかった。


「とにかく君を送っていかなければね。また肩を貸そう」


マトも事情を話す気はないらしい。


けれど村が襲撃を受けた直後に首都に行くなど、よほどの事情があるに違いなかった。


「これって、今度の襲撃に関係があるの?」


マトに身を預けながらニアスは尋ねた。


しかしマトは前を向いたまま口を開こうとはしない。


それからしばらくは3人とも無言で歩を進めた。


いつしかジャングルを抜け、またあの川沿いに出ると、ニアスの乗っていた戦闘艇が静かに横たわっていた。


もはやそれは、使い物にならない金属の塊。


(僕やっぱり、とんでもないことしちゃったんだな)


今さらながらに思う。


数少ない最新鋭の戦闘艇を、自分の一時の逆上でもって壊してしまったのだ。


でもそれも、彼らの役に立つことが出来れば、少しは償いになるだろうか。


「軍人さえいなかったら、あたし達は平和に暮らせていたんだ」


後ろを歩くマヤの、ぽつりと呟いた言葉が胸に突き刺さった。


そしてその胸の痛みを振り払うように、『アザゼル』を遠目に見ながらニアスは思い切って言った。


「僕、元帥閣下のお側近くに仕えてるんだよ。もし僕で協力できることがあれば……」