久遠の絆

「てっきり同盟軍がまた来たのかと思ったんだ」


「じゃあやっぱり、これは同盟軍の攻撃で?」


青年は厳しい表情で頷いた。


「大切なものをすべて奪っていきやがった」


その声は、どこにぶつけたらいいのか分からない怒りをはらんでいて、ニアスの胸を締め付けた。


「なんで戦争なんか始めたんだ?」


単純だけど、鋭い問い。


戦争でもっとも傷付くことになるのは一般の民間人なのだ。


このひと言で、ニアスは思い知らされた。


「俺たちにとっては、帝国の軍人も同じだ。どうして平穏に暮らしていた無害な俺たち
がこんな目に合わなければならない?
戦いたければ戦えばいい。でも関係のない俺たちまで巻き込まなくてもいいじゃないか?」


「ごめん……なさい……」


蚊の鳴くような声で謝ったニアスを、青年は凝視した。


それからしばらくして、

「あんたに……あんたみたいな子供に、文句言っても仕方なかったな」

と呟いた。


「すまない……まだ混乱しているんだ」


「う、ううん。村の人たちは?無事なの?」


惨状を見れば、犠牲は少なくないと思われた。


「幸い命を落としたものはいない。空爆はなかったからな。どういうわけか、同盟軍は徒歩で、村中に火を付けて回ったんだ」


「略奪?」


「……ある意味、な」


意味深なことを言ったものの、青年はそれ以上言葉を続けようとはしなかった。


「ある意味ってどういうこと?」