久遠の絆

シェイルナータを思った。


こんな時あの女性がいてくれたなら、どんなに有り難かっただろう。


ぞんざいな物言いの中で、さりげなく蘭の進むべき道を指し示してくれた『母のような人』。


(シェイルナータさまに間違っていないと言ってもらいたい……)


気持ちを奮い立たせて来たけれど、やはりどこか地に足が着いていないような、そんな危うい感覚がいつもある。


だからだろう。


思わずシェイルナータを頼ってしまうのは。


(もっとしっかりしなきゃだめなのに……)


蘭はまた振り向いた。


(やっぱり誰かいる……?)


監視カメラだろうか?


そう思って天井の隅を見たが、何もない。


『あんたに付いて来てるよ』


ぞくり、と体中が粟立った。


(あいつ、が……?)


ここにいる?


(あ、いやだ……っ)


頭を抱えてうずくまる。


(シェイルナータさまっ)


ここには蘭ひとりだけだ。


助けを求めても、誰もいない。


もしあいつが現れたなら、彼女はまたされるがままになるしかない。


(抗うことなんて、出来ないよ)