久遠の絆

帝国軍の中にぽっかりと開いた穴。


艦隊がすべて消え失せた穴。


地面にも草木一本見つけることは出来ない。


倒されたのでもない。


燃えたのでもない。


消えてしまった。


その空間にあった物質だけが、もぎ取られたようになくなってしまったのだ。


その穴をめがけて同盟軍の艦隊が突き進んでくる。


一瞬のうちに命を散らした者たちの為、に涙を流す暇などなかった。


「全軍後退を続けろ!首都に近付けるんじゃねえぞ!」


自分の気持ちを奮い立たせるように、ゲルシュ・グレンは命令を飛ばす。


残った艦船で穴を埋めつつ後退し、同盟軍の進路を塞ぐ。


これ以上先には進ませない。





「貴様らの思い通りになどさせるものかっ」




彼の強い思いが全軍に波及したのか。


帝国軍はますます数の不利に見舞われながらも、その後なんとか態勢を立て直し、同盟軍の攻撃をかわし続けた。


(あの兵器を使うには、少しばかり時間を要するらしい)


ならばまだこちらにも反撃の余地があるはずだった。


かなり強気ではあるけれど、そうでも思わなければやっていられない。


(投げ出すわけにはいかねえんだからよ)


そうやって拳を握るゲルシュ・グレンの隣からは、いつのまにかニアスの姿が消えてい
た。






ジャングル上空での激しい攻防はまだ続く……。