久遠の絆

(これからはもっとアウトドアに親しもう。健康的な趣味を持とう)


やっとの思いでツタの罠から抜け出して再び歩き始めた蘭は、心の中でそんな決意を新たにするのだった。


しばらくすると、いよいよ滝の音は勇ましさを増してきた。


心地良い清涼な風も吹き始め、汗ばんだ体が一気に冷めていった。


シダの茂みを掻き分け向こう側に顔を出した。


そこには目の覚めるような美しい光景が広がっていた。


圧倒的な水量で崖の上から落ちる滝。


その周りの緑濃い樹木の中に、さまざまな花が咲き乱れている。


それは滝のしぶきを浴びて、きらきらとさながらとりどりのビーズを散りばめたように輝く。


そして滝つぼから清流が生まれ、そこには小魚の姿が見えていた。


(すごい)


これが自然の力というものか。


押し迫る生命力に、蘭は言葉なく立ち尽くしていた。


見惚れてしまう。


いつまでも飽くことはない。


(わたしはこんな風景を今まで知ることなく生きていたんだ)


知らずに、命を絶とうとしていた。


なんて勿体無いことを……。


しばらくしてゆっくりと滝へと近付いていった。


飛沫がこちらに掛かるほどの勢いで、水が落ちてくる。


その場にしゃがみ込み、滝つぼの淵にそっと手を伸ばしてみた。


ひんやりと冷たい水。


すると蘭はおもむろに手首の包帯を解いたのだ。


しゅるりと解けた包帯の下からは、自傷の跡が露わになった。


自ら嫌悪するように顔をしかめると、そのまま冷たい水へと浸す。