久遠の絆

◇◇◇





「ここはどこ?」


思わず口に出して言ってしまってから、まったくこの場所にひとりであることを痛感してしまった。


そこは木が生い茂る、まるでジャングルのような場所だった。


時折野鳥の囀る声を聞くほかは、音という音がなくシーンと静まり返っている。


下へ下へと落ちていく感覚から解き放たれたと思い目を開けたら、ここにいたのだ。


(不思議なことばっかり……)


きっとこの先に待つものは楽しいことばかりではないだろうに、楽しいと思っている自分がいた。


そう思える自分は、以前と比べて少し変わったように思う蘭だった。


(とりあえず前に進まなくちゃ始まらないよね)


そしてゆっくり歩き始めた。


右も左も分からないジャングルの中で、むやみに歩き回ることの危険を蘭は考えていない。


考えないまま歩いて行く。


しばらくすると、水のドウドウと落ちる音が聞こえるようになってきた。


「滝があるんだ」


孤独を紛らわすためか、なんとなく独り言を言ってしまう。


その音のする方へと足を速めた。


低木の葉を両手で避けながら、時々板根(バンコン)に足を取られながら、滝を目指して突き進んで行った。


そうして意気揚々と歩いていた時


「ギャッ」


何かに足を掴まれこけてしまった。


「いった~」


見ればそれは複雑に絡み合ったツタで、ちょうどその隙間にすっぽり足が挟まってしまっている。


「捻挫しなくて良かった~」


山歩きに慣れていないゆえの不注意だ。