久遠の絆

「じゃあ、ナイルターシャさまは全然違うお姿を……」


「一目見て双子だとは分からないだろうね」


シェイルナータは可笑しそうに笑った。


そして、「妹に会ってみたくなったかい?」と訊いてきたのだ。


蘭は答えに詰まった。


たった今シェイルナータと一緒にいたいと思ったばかりで、ここを出ることなどまだ現実のこととして考えられないからだ。


でも……。


「時間が、ないんですよね」


「まあ、それもあるがね。……その包帯」


途端蘭の体がびくんと跳ねた。


そして咄嗟に包帯を隠すように手を添えた。


「それが隠しているものと、いつまでも向き合わないままっていうわけにも行かないだ
ろう?」


蘭が考えないようにしていることを、シェイルナータは容赦なく付き付けてきた。


「お前さんをいつも見ている者がいる」


ぞくりと悪寒が走った。


「それはお前さんによほど執着があるらしい。ありえないことでもないが、次元を超えてくっついて来てしまった」


蘭はそれ以上聞きたくなくて耳を塞いだ。


けれどシェイルナータは淀みなく言葉を紡ぐ。


「避けられやしないんだよ。これが現実だ。お前さんに刻まれた傷とは、いつかは向き合わなけりゃいけないんだよ」


「どうして……どうして、そんなひどいこと言うんですか?」


「……可哀相だといってほしいのかい?父親に犯されて、なんて可哀相なんだって、同情されたいのかい?」


「違いますっ!」


「違いやしないよ。あんたは誰かに同情されたがっている。誰かに、じゃないね、私に、だ」


「……」