久遠の絆

「ああ、辛気臭いね~~」


心底嫌そうな顔をして、ナイルターシャが戻ってきた。


手にした盆には、急須に、他にもいくつか載っている。


「やっぱりこいつがないと、舌の回りが悪くてね」


『他にもいくつか』とは、ぶどう酒のビンとつまみの盛られた何枚かの小皿だった。


「急ごしらえだが、私の酒の肴は評判いいんだよ」


とても嬉しそうだった。


「元帥殿はけっこういける口だろ?」


知ってるんだよーと呟きながら、カイルの前においたグラスにぶどう酒を注いだ。


「あんたは……まだだめかい?」


「はあ、飲んだことありません」


蘭の答えを聞く前に、湯飲みにお茶を注いでいる。


戸惑った表情のカイルは、グラスに手を伸ばそうとしない。


それを見たナイルターシャは、


「ああ、もう、どんだけ生真面目なんだよ。私の酒が飲めないって言うのかい?」


そう言われれば飲まざるを得ないと思ったのか……。


カイルも腹をくくったらしい。


グラスを一気に空けた。


「いいじゃないか。いいじゃないか。あんたやっぱりいい男だね~。聖職に身を置いてるからっていい子ぶるセクンとは違うよ~」


的を射ているのかいないのか。


彼女にすれば最上級の褒め言葉だったらしい。


機嫌良さそうにどっかと椅子に腰掛けたかと思うと、自ら手酌で何杯か飲み干し、それ


でも顔色ひとつ変えないでいる。


かなり上戸のようだ。