久遠の絆

「かなり真に迫っていただろう?」


前に身を乗りだしてそう尋ねるナイルターシャの表情は、いつにも増してキラキラしている。


いかにも芝居が上手くいって大満足といった感じだ。


対して、問われる二人の顔は引きつっていた。


いろんな疑問がぐるぐると頭の中を回っている



芝居?


芝居と言うが、一体どこからどこまでが芝居だったというのだろう。


セクンも共犯?


でも先程『神官を欺く』と言っていた。


ではセクンも知らないことなのか。


そう言えばたしかに、神官たちは今もずっと祈りの唄を捧げているはずだ。


蘭が天に召されたと思い込んで。


しかし彼女はこうして生きている。



彼らの疑問をすべて見透かしたように、ナイルターシャは頷いた。

「そうだよ。神官どもも本当のことは何一つ知らない。

だってこれは、私が長い時を掛けて周到に準備したことだからね。神殿が私を利用したいなら、逆に利用してやろうと思ったのさ。

私はこの生まれ持った能力ゆえに、長命であることが運命付けられていた。けれどそれは、清浄な空間にいることが条件だ。

この世界でもっとも清く神に近い場所とはどこか……。それは神殿だ。

そう言ったら神官どもは喜んでこの空間を造り上げてくれたよ。けれどそれと同時に、私はこの空間から一歩でも出れば腐敗する生き物になってしまった。

でもね、私には巫女としての能力がある。外の世界を透かし見ることなど容易いことだ。

“その時”を知るために、“その時”を見誤らないために……」