「気が付いたかい?」
と相変わらず事も無げに言うと、
「彼女を私の家に連れておいで」
と言いながら球体の壁面に向かって歩き始めた。
彼女の意を介せないまま、カイルは急いで蘭の体を抱き上げた。
壊れ物を扱うように、そっと頭と膝の裏に腕を差し入れた格好で。
意識のない蘭の頭が、ことりとカイルの左胸に寄りかかる。
するとかすかな呼吸が感じられた。
(では、手に感じた温もりも本当だったのだ)
今まで感じたことのない高揚感が、胸の奥底から湧いて来るのを彼は感じていた。
先を歩くナイルターシャは、臆することなく壁面へと突き進み、ある場所ですっと消えてしまった。
カイルは戸惑いながらもあとに続いた。
ぐにゃりと空間が歪む。
一瞬上と下が分からなくなり、蘭の体を抱く手に力を入れたが、すぐに元の感覚に戻った。
ほっと息をついてよく見ると、そこは先日セクン大司祭と訪れたナイルターシャの住まう異空間だった。
と相変わらず事も無げに言うと、
「彼女を私の家に連れておいで」
と言いながら球体の壁面に向かって歩き始めた。
彼女の意を介せないまま、カイルは急いで蘭の体を抱き上げた。
壊れ物を扱うように、そっと頭と膝の裏に腕を差し入れた格好で。
意識のない蘭の頭が、ことりとカイルの左胸に寄りかかる。
するとかすかな呼吸が感じられた。
(では、手に感じた温もりも本当だったのだ)
今まで感じたことのない高揚感が、胸の奥底から湧いて来るのを彼は感じていた。
先を歩くナイルターシャは、臆することなく壁面へと突き進み、ある場所ですっと消えてしまった。
カイルは戸惑いながらもあとに続いた。
ぐにゃりと空間が歪む。
一瞬上と下が分からなくなり、蘭の体を抱く手に力を入れたが、すぐに元の感覚に戻った。
ほっと息をついてよく見ると、そこは先日セクン大司祭と訪れたナイルターシャの住まう異空間だった。


