「さ、セクン大司祭。今度はあんたたちの仕事だよ」
大司祭は大仰に会釈し、「わかっておりまする」と言いながら、
球体の裂け目から外へと出、居並ぶ神官達の方へと向いた。
「さあ、諸君。祈りの時だ。神を讃える歌を歌おう」
その声に導かれるように、神官達が歩き出す。
祈りの場所へと向かって。
「では私も参ります」
そう言って、セクンもすり鉢上の階段を上って行った。
「いつまでも祈ってろ。それが神官の仕事だ」
なぜか吐き捨てるようにナイルターシャが呟くのを、カイルは聞いた。
すべての神官が姿を消し、ナイルターシャとカイル、そして蘭の体だけが残された球体の中では。
呆然と佇むカイルに、ナイルターシャがやけに優しく話し掛けていた。
「望み通りになったって言うのに、なんだってそんなに悲しそうなんだい?」
暗く沈む、薄緑色の瞳。
(たしかに望み通りだ)
ナイルターシャに借りた書物で、事前にこうなることは分かっていたというのに。
どうして自分はこんなに後悔に苛まれているのだろう。
横たわる蘭の傍に跪いた。
彼女の顔に掛かる長い黒髪をそっと撫でた。
(彼女を守ると言いながら、私は……)
そしてまだ赤みの残る頬に触れる。
その手が何かを感じたのか、ぴたりと止まった。
そしてバッと勢いよく、ナイルターシャの方に振り向いた。
大司祭は大仰に会釈し、「わかっておりまする」と言いながら、
球体の裂け目から外へと出、居並ぶ神官達の方へと向いた。
「さあ、諸君。祈りの時だ。神を讃える歌を歌おう」
その声に導かれるように、神官達が歩き出す。
祈りの場所へと向かって。
「では私も参ります」
そう言って、セクンもすり鉢上の階段を上って行った。
「いつまでも祈ってろ。それが神官の仕事だ」
なぜか吐き捨てるようにナイルターシャが呟くのを、カイルは聞いた。
すべての神官が姿を消し、ナイルターシャとカイル、そして蘭の体だけが残された球体の中では。
呆然と佇むカイルに、ナイルターシャがやけに優しく話し掛けていた。
「望み通りになったって言うのに、なんだってそんなに悲しそうなんだい?」
暗く沈む、薄緑色の瞳。
(たしかに望み通りだ)
ナイルターシャに借りた書物で、事前にこうなることは分かっていたというのに。
どうして自分はこんなに後悔に苛まれているのだろう。
横たわる蘭の傍に跪いた。
彼女の顔に掛かる長い黒髪をそっと撫でた。
(彼女を守ると言いながら、私は……)
そしてまだ赤みの残る頬に触れる。
その手が何かを感じたのか、ぴたりと止まった。
そしてバッと勢いよく、ナイルターシャの方に振り向いた。


