一歩一歩、ナイルターシャが近付いてくる。
それに伴い、蘭は後ずさる。
けれど背後にはあまり余裕はなく、すぐに光の幕に押し返されてしまった。
「さあ、いいかい?」
目の前の美しい女性が、不適とも思える笑みを湛えた。
「洗礼って、どうするんですか?」
怯える心を奮起させて蘭は問うた。
「洗礼と言うと、ちと聞こえが良すぎるね」
「え?」
どういうこと?
「そなたは、“贄(ニエ)”」
(にえ……)
「その身と命を神に捧げるために選ばれし、“贄”なんだよ」
何やらとんでもないことを聞いたような気がするが、頭の中に霞が掛かったようになっていて、はっきりとしない。
そんな蘭を嘲るように、乳白色の光はまるで歓喜しているかのようにその輝きを増していく。
「贄とは、この世界に安寧をもたらすための人身御供」
告げられる言葉の禍々しさに、蘭は震え、指先まで冷たくなっていた。
(贄?人身御供?どういうことなの?)
カイルが言った、この世界を救うということは、とどのつまりそういうことだったのだろうか。
彼がすべてを明かそうとしなかったのも、その恐ろしい事実ゆえだったというのか。
蘭は混乱し、へなへなとその場にへたり込んでしまった。
そんな彼女に、なおたたみ掛けるようなナイルターシャの言葉が続く。
「あんたのように生きる価値のない、ちっぽけな子供は、神への捧げ物にぴったりなのさ」
「……」
「選ばれたことに感謝するべきだ。これ以上生き恥を晒さなくて済むだろう?」
それに伴い、蘭は後ずさる。
けれど背後にはあまり余裕はなく、すぐに光の幕に押し返されてしまった。
「さあ、いいかい?」
目の前の美しい女性が、不適とも思える笑みを湛えた。
「洗礼って、どうするんですか?」
怯える心を奮起させて蘭は問うた。
「洗礼と言うと、ちと聞こえが良すぎるね」
「え?」
どういうこと?
「そなたは、“贄(ニエ)”」
(にえ……)
「その身と命を神に捧げるために選ばれし、“贄”なんだよ」
何やらとんでもないことを聞いたような気がするが、頭の中に霞が掛かったようになっていて、はっきりとしない。
そんな蘭を嘲るように、乳白色の光はまるで歓喜しているかのようにその輝きを増していく。
「贄とは、この世界に安寧をもたらすための人身御供」
告げられる言葉の禍々しさに、蘭は震え、指先まで冷たくなっていた。
(贄?人身御供?どういうことなの?)
カイルが言った、この世界を救うということは、とどのつまりそういうことだったのだろうか。
彼がすべてを明かそうとしなかったのも、その恐ろしい事実ゆえだったというのか。
蘭は混乱し、へなへなとその場にへたり込んでしまった。
そんな彼女に、なおたたみ掛けるようなナイルターシャの言葉が続く。
「あんたのように生きる価値のない、ちっぽけな子供は、神への捧げ物にぴったりなのさ」
「……」
「選ばれたことに感謝するべきだ。これ以上生き恥を晒さなくて済むだろう?」


