久遠の絆

「着替えるわ」


そうしてもう一度強く言った蘭。


するとカイルは

「では、着替えが終わられましたらお呼び下さい」

と淡々と言って踵を返した。


ニアスはまだ彼女を支える腕を離そうとしない。


「大丈夫だから」


そんなニアスに精一杯の笑顔を向けた。


「本当に?」


問う彼の声は、いつもの少年のものではなく、妙に大人びていた。



「大丈夫」


もう一度力強く言うと、ニアスの手がためらいがちに放された。


「では、お待ちしています」


「うん」


彼は本当に優しい男の子なのだ。


人の痛みを自分のことのように受け止めてしまう。


カイルとはまた違う、心許せる友人のような存在だった。


ニアスが退室するとすぐに蘭は着替えを済ませた。


また幻覚症状に陥る前に、すばやく。


そして呼び鈴を鳴らした。


入って来たのはカイルでもニアスでもなく、神官の一人だった。


「では、参りましょう」


また表情ひとつ変えるでもなく事務的に告げた。


それが神官としての心構えとでも言うように、徹底して無表情だった。


古代ギリシャの衣のような、一枚布を巻きつけただけの簡単な服は露出も激しく、神官について歩きながら蘭は恥ずかしくて体を丸めていた。