朝日を全身に浴び、私は深く息を吸い込む。

 三日ぶりに登校した私を待っていたのは、冷たい視線……ではなく、体調を心配してくれるいつもと変わらない優しい友達だった。

 私の行いに非難を投げかける者は誰一人としていなかった。

 悠希は、私と別れた話を誰にもしていないようだった。

 裁かれるはずの人間があろうことか擁護されている事態に、私は首を傾げた。

 放課後、私の教室に訪れたのは、今、一番顔を合わせたくない人物だった。


「希望ちゃん、ちょっといいかな」


「あ……うん。どうしたの? 琥珀ちゃん」


 私の前に現れたのは、今回の被害者である彼女。

 琥珀ちゃんの登場に、私は身を固くする。

 彼女が何も知らないハズがない。


「希望ちゃん……もし良かったら、一緒に帰らない?」


「え?」


 予想外の言葉に、私の頭は真っ白になった。


「ダメ、かな」


 申し訳なさそうにこちらの様子を伺う琥珀ちゃん。


「ダメじゃないよ! 一緒に帰ろう」


  私の返答に琥珀ちゃんは嬉しそうに「ありがとう」と頭を下げた。


 何が起こっているのかよく理解しないまま、私は琥珀ちゃんと一緒に下校することになった。