「そ、そんなの翔斗らしくない!どうしたの?」
「翔斗はそんな事言わないと思ってた~」
次々と文句を言いながらもその場から去っていった。
これできっと、今後も大丈夫だと思う。
「心音ちゃん。…巻き込んじゃってごめん」
女の子たちがさり、静かになった空間で俺は隣の彼女にそう呟く。
「いえ…。それよりも、あんな事言ってよかったんですか…?」
「うん。あれが今の嘘偽りない、俺の本心だから」
心音ちゃんにも…ちゃんと伝わったかな。
「ありがとう、ございます…」
少し照れたようにうつむく心音ちゃん。
「だ、だけど!せっかく隠してきた先輩の素顔が…ばれちゃいましたよ…?」
「そうだね。でもきっと、何とかなるよ。それに…俺には居場所があるから」
「はいっ…!そうですね」
きっと学校の皆にバレるのも時間の問題だろう。
だけど後悔なんてない。
もし、学校の皆が俺から離れていったとしても。
俺には仲間が、親友が、
心音ちゃんがいる。
「ねぇ心音ちゃん」
「…はい?」
「俺を暗闇から連れ出してくれて、本当にありがとう。俺、心音ちゃんに出会えて本当によかった」
もう一度ちゃんと、言葉にする。
「真莉愛のことで消沈してた俺を救ってくれたのは心音ちゃんだけだった。俺のままでいていいんだよって言ってくれてすごく嬉しかった」