その後もショッピングを楽しんだ俺たちはお店を見ながら、寮への道を歩く。
そんな時だった。
「…あれ、翔斗じゃない??」
「あ、ほんとだ!久しぶり~!!」
気づけば俺は女の子に囲まれていた。
しまった…俺が迂闊(ウカツ)だった。
よく連絡がくる女の子には、ちゃんと言ってたんだけど…。
一度あっただけ、とかその程度の女の子にはちゃんと伝えてなかったから。
「あれ~?翔斗、なんか雰囲気変わった?」
いつもだったらいる皆にちゃんと対応して、笑顔を浮かべてってやってたけど。
人ってちゃんと、前に進めるんだな。
今はちゃんと言わないとって思う。
「……ごめん皆。俺さ、そういうのやめたんだ」
突然の言葉に周りの子たちはきょとんとしている。
ふと外れの方を見ると心音ちゃんも突然のことになにがなんだか分からないという顔をしていた。
だけどすぐに事態を把握したようで、すぐそばのベンチに腰をかけようとする。
俺はそんな彼女のそばにより手を取って自分の方へ引き寄せた。
「ちょっと、翔斗!?どーゆーつもり?」
集団の中でも1番前にいた子がそう聞いてくる。
「俺、もう他のことは遊べない」
すかさず俺はそう返した。
そしてそのまま視線を心音ちゃんに向ける。
「俺はもう、キミ以外の子を愛す事はやめたんだ」
変われた、とは言ったけど。
他のことちゃんと切ったことはあまりはっきり伝えられてなかったから。
この際心音ちゃんにもちゃんと伝えようと思って。
俺は周りにもしっかり聞こえるようにそう告げた。
「……………………」
「……………………」
周りの子は事態を把握出来ていないようで。
皆俺と心音ちゃんを交互に見てはきょとんとしていた。
だけど数分後には事態を把握出来たようで。



