「うん、よく似合ってる。俺からのプレゼントだよ」



そう言って俺がとりつけたのは銀色のハートのネックレス。


あのお店に入った時、すぐに目についた。


心音ちゃんに似合いそうだなって。



「これ、本当に頂いていいんですか…?」



「当たり前だよ。そのために買ったんだから」



「でも…これ、高かったんじゃ……」



ま、安くはなかったけど…。



「……ナイショ」



それは男のプライドがあるから言わないでおくね。



「ありがとうございます…!大事にします」



「うん。そう言ってもらえて嬉しいよ」






中学を卒業してから心音ちゃんに出会うまで遊び続けていた俺は、本当に最低な男だったと思う。


中には本気で俺を好きになってくれてた子もたぶんたくさんいた。


だけど俺はそんな子達の想いを…


踏みにじってたんだよね。


今になってすごく分かる。


俺は最低なことをしてたんだ。


だけど実際は、楽しかったのも本音で。


彼女たちを楽しませようとしてたのも俺の本心。


ただ…やり方を間違えてた。


その事に気づかせてくれたのも心音ちゃん、キミだったよ。


もちろん後悔はたくさんあるけど。


俺はおれになれてよかったし、


俺に戻れてよかったし、


何より心音ちゃんと出会えて。


心音ちゃんを好きになってよかったって今は心からそう思う。


それから、まだ言葉にはできていないけど。




歩結



優空

奏夢

湊叶



寮で出会えたみんなと。





こんな情けない俺とずっと友達でいてくれた拓光(タクミ)には本当に感謝してる。



いつか必ず、ちゃんと伝えるから。









「それじゃ、そろそろ行こう?」



「そうですね」



俺は心音ちゃんの手を取り、歩き出した。