よく見てるんだよなー、心音ちゃんって本当。
「せっかく心音ちゃんが選んでくれたし、俺この服買おうかな」
「え、そんな!いいんですか??あたし、センスも欠片もないんですけど…」
「そーかな?そんなことないと思うよっ。じゃ、会計してくるね~」
「わ、分かりました」
さりげなくレジに行きつつ、俺は先ほど見つけたあるものを一緒に持っていった。
「お待たせ。いいのはあった?」
「はい。どれも可愛いんですけど…。やっぱり少し高いですね」
ふわりと笑う彼女に俺も微笑みを向け、2人でまた外を歩く。
歩いていると急に周りにあった木々にライトが灯った。
「うわ…綺麗………」
隣で目を輝かせ、そのイルミネーションに釘付けになっている心音ちゃん。
もちろん俺は、プラン通り。
12月が近づいてきた今日から、ここでイルミネーションが始まるのをネットで見つけた。
それにしても…かなり喜んでくれたみたい。
「せ、先輩っ。すっごく綺麗ですね…」
よかった。
「そうだね」
心音ちゃんと出会って俺は変われた。
心音ちゃんがいてくれたから、俺は元に戻れた。
ずっとずっと殻に閉じこもっていた俺を見つけてくれたのは。
他の誰でもない、
───────心音ちゃんだった。
最初は見つかるのが怖くて、彼女を警戒してた。