【心音side】
次の日。
楓先輩とのデートの余韻もなく、今日は歩結先輩とお出かけ。
自分で考えたとはいえ、少しハードだったかな…?
─────コンコン
「心音ちゃん?」
「あ、今行きます…!」
そんな事、今考えても仕方がないか。
歩結先輩に返事をしたあたしはすぐに部屋を出た。
「…何かさ、いつもと格好が違うとドキドキするね」
「…えっ?」
「ほら、服。いつもは制服だからさ」
そう言えばそうかも…。
「そう、ですね…」
言われるとそればかり気になっちゃう…。
あたしの格好、変じゃないかな……?
「似合ってる。すごく可愛いよ、心音ちゃん」
サラッとそう言いのける歩結先輩。
「え、あ、あの…。歩結先輩も、似合ってます」
「ははっ。ありがとう。お世辞でも嬉しいよ」
「お世辞なわけないです!」
恥ずかしくて、歩結先輩みたいにははっきりと言えなかったけど。
似合ってるのは本当。
歩結先輩らしい爽やかな服装。
きっと、先輩だから着こなせてる。
そう思わせる格好だった。