黙って俺のモノになれ【下】


恋は時に人を醜くもする。


それでも好きになってしまったんだ。



「前のこと?」



─────柊心音と言う1人の女を。



「お前が入学して来てから今までの事を」



「え…どうして今……?」



「何でだろうな。お前見てたら思い出したくなった」



きっと心音は今、悩んでいる。


俺たちの気持ちを前にして、戸惑っている。


それでも…答えを出すために、こうしてデートをしようと考えた。


歩結から聞いた時は驚いたけど…


これが、心音なりの答えの出し方なんだろう。


それなら俺も出来る限りのことを精一杯、悔いの残らないようにする。


それが心音のやり方に応えるための俺のやり方だ。



「先輩…変ですよ……」



「だな。自分でもそう思う」



「先輩…」



「俺にも見せてくれ。そいつ」



「あ、はい!」



心音がどんな選択をするかなんて俺にはともかく、誰にだって分からない。


それでも俺は、いつだって。


誰にも負けないくらいお前を想ってるから。


俺は未熟だからそれを伝える術なんてたくさんは持っていない。