黙って俺のモノになれ【下】



「わざわざありがとな。美味かった」



さすが男子高校生、とでも言うべきかお弁当はあっという間に空っぽに。




「いえ。…足りましたか?」



不安になって遠慮がちに聞いてみたけど



「あぁ。丁度よかった」



どうやら胃袋は満たせたみたいで再度安心。



「…お前はそれだけで足りるのか?」



「はい。あたしはこれだけで充分です」



「胃袋小せーな」



「そうですかね?女の子は皆、これくらいだと思いますよ」



「そーか。…俺は女を知らねーからな。お前見てると新鮮だ」



確かに、楓先輩が女の人と絡んでいるところは想像がつかない…。


それに言動を見ても、これまでに女の子と深く接したことがないんだろうな…と思う時はたくさんある。


だけど、そんな先輩にも1つだけ。



「……先輩って妙に慣れてますよね」



疑問に思うことがある。



「慣れてる……?」



楓先輩は訳が分からないと言った表情でこちらを見ている。


当たり前だよね…。


主語がないんじゃ分かるはずがない。



「女の子の視線や態度に動揺がないって言うか、その……」



そういうのが、やけに慣れてるなって。


実は先輩がたくさんの女の子に囲まれたり声をかけられたり、見られたりしているのを文化祭でも何度か見かけた。


文化祭だけじゃなく、寮の外でも何度か。