「わざわざありがとな。美味かった」
さすが男子高校生、とでも言うべきかお弁当はあっという間に空っぽに。
「いえ。…足りましたか?」
不安になって遠慮がちに聞いてみたけど
「あぁ。丁度よかった」
どうやら胃袋は満たせたみたいで再度安心。
「…お前はそれだけで足りるのか?」
「はい。あたしはこれだけで充分です」
「胃袋小せーな」
「そうですかね?女の子は皆、これくらいだと思いますよ」
「そーか。…俺は女を知らねーからな。お前見てると新鮮だ」
確かに、楓先輩が女の人と絡んでいるところは想像がつかない…。
それに言動を見ても、これまでに女の子と深く接したことがないんだろうな…と思う時はたくさんある。
だけど、そんな先輩にも1つだけ。
「……先輩って妙に慣れてますよね」
疑問に思うことがある。
「慣れてる……?」
楓先輩は訳が分からないと言った表情でこちらを見ている。
当たり前だよね…。
主語がないんじゃ分かるはずがない。
「女の子の視線や態度に動揺がないって言うか、その……」
そういうのが、やけに慣れてるなって。
実は先輩がたくさんの女の子に囲まれたり声をかけられたり、見られたりしているのを文化祭でも何度か見かけた。
文化祭だけじゃなく、寮の外でも何度か。



