あれから数時間。
お昼時。
あたしたちは近くの休憩スペースに腰を下ろしていた。
「結構広いですね、この動物園…」
「あぁ、そうだな。思ったより広い」
だけどいろんな動物がいて、すごく楽しい。
どうやら先輩も思ってることは同じみたいで。
さっきから笑顔が連発!
本人は気づいてないみたいだけど…。
気づいてないといえばもう一つ。
お忘れの方もいるかもですが、楓先輩はイケメン男子。
それに加え、笑顔も多いから…
入園する前から他の女性さんからの視線が痛いんです…。
でも…しょうがないと言えばしょうがないのかな。
「どうした?」
「あ、いえ。何でもないです!お腹すきましたね…。お昼にしますか?」
「あぁ、そうしよう」
楓先輩の返事を聞いたあたしは、持ってきていたお弁当を机の上に広げた。
「…これ心音が作ってきてくれたのか?」
「そうです。…迷惑ではなかったでしょうか…?」
「迷惑なわけねー。むしろ…俺は嬉しい」
「よかった…」
実は部屋を出るギリギリまで迷ったんだけど…。
やっぱり喜んでもらいたくて結局作っちゃったんだよね。
失敗したらどうしよう
嫌だったらどうしよう
そう考えたりもしたけど…成功したみたいでよかった…。



