黙って俺のモノになれ【下】



あたしは……



「モルモットやうさぎ、ですかね。小動物が好きです…っ」



確かここにはふれあい広場があったはずなんだけど…。



「…ははっ。そっちだって十分柊らしいじゃねーか」



「そうですかね?」



「あぁ」



楓先輩は2人になるとよく喋るし、よく笑う。


無自覚なのか、時々すごく恥ずかしいセリフをさらっと言ったりするし…。


もちろん、皆といる時にも喋ったりはしてるけど…。


やっぱり2人でいる時の頻度と比べれば全然少ない。


初めの頃はそんな楓先輩の笑顔や言葉に動揺しまくりだったあたしも…


いつの間にか慣れてしまってて。


今は先輩の笑顔を見るとどこか安心する。



「柊?どうした?」



「あ、いえ。次に行きましょうか」



「そうだな」



「次は…フラミンゴですね!」








「───────心音」








「え、か、楓先輩?!」



「今日はそう呼んでもいいか?…特別な日にしたいんだ」



び、びっくりした…。


普段、楓先輩は苗字でしか呼ばないから…


何だか新鮮というか…落ち着かない……。


だけど



「…もちろん、いいですよ。いい思い出にしましょうね、楓先輩」



あたしも、中途半端な覚悟でデートをしているわけじゃない。


形はどうあれ、特別な日を過ごしたいのはあたしも一緒なんだ。



「あぁ…ありがとう。じゃあ続きを見よう、心音」



「…はい!」



何だかくすぐったかった。


だけどそれと同時に、楓先輩にとって特別なんだって改めて感じたのも確かだった。