ある決意をしたあたしは、歩結先輩の部屋へ向かった。
──────コンコン
「…はい。どうぞ?」
「失礼します…」
「心音ちゃん?何かあった?」
「あー、えっと、その……。相談がありまして……」
「相談?」
分厚い参考書を閉じ、床に腰をおろした歩結先輩はあたしにもそうするよう促した。
「あの、お願いがあって───────」
あたしのお願い。
それは…1人1人とデートをさせて欲しいということ。
彼らと向き合って答えを出すためには…
これしかないと思ったから。
「話は分かった。でもどうして俺に?」
そしてそれを歩結先輩に言ったのは…
「それは…先輩だからです…」
他でもない。
1番話を聞いてくれそうだったから…。
「…何かよく分かんないけど。分かったよ(笑)皆に言ってみるから」
「ありがとうございます…!」
何がどうなるかなんてあたしには分からない。
それでも決めたんだ。
あたしは
──────皆の想いに応えたい…。
後日、再び先輩に呼び出されたあたしは皆からOKをもらったと聞いた。
順番は先輩たちで調整してくれたらしく。
──────────あたしはそれぞれとデートをすることに決まったのだった。



