それでも私はあの頃。
心音の背中を押してあげる勇気がどうしても出なかった。
心音が変われたのはきっと…あの日あった彼らのおかげなんだと思う。
名前は知らないけど、心音を支えてくれたこと。
すごく感謝してる。
私には出来なかった事だから…。
私に出来ることはもう、夢望と連絡を取って心音と宮城を会わせる手伝いをする事だけ。
だから私はすぐに行動に移した。
─────────♪
『はいは~い。もしもし叶愛?』
ワンコール後、すぐに電話をとってくれた彼女。
「うん。あのさー、心音が宮城に会ってもいいって。さっき連絡があった」
『うっそ、本当に?宮城に予定聞いとくね!また連絡する!』
「りょーかいっ。よろしくね~」
これで私のやるべき事は果たした。
善は急げって言うしね。
“心音!今ね、夢望に聞いたら日はおって連絡するって。……無理だけは、しないでね”
“分かった。うん…ありがとう!”
文化祭の日、宮城のことを言うかどうか本当はすごく迷った。
だけど…少しでも心音が前に進む手助けが出来たならよかったかな……。
私にはう、出来ることはないけど。
心音が前に進めるように、応援してるから。
だから…
──────頑張れ!心音!!