【心音side】




「──────今、お前なんて…」



「……宮城一輝くんに会いに行ってくる」



「心音…お前本気?大丈夫なの?まさか、また無理して……」



「違うよ…それは違う。確かに、怖くないといえば嘘になる……」



だけど



「なら無理する事じゃねぇだろ?心音だって“会いたくない”って…そう言ってたじゃん」



「それでも今は、“会いに行かなくちゃいけない理由”が出来たから…」



彼らと向き合うためには、逃げてるだけじゃダメなんだ。



「“理由”って何?俺らが関係してること?」



「ごめん…今は言えない。だけど必ず話すから…少しだけ、待っててくれないかな……?」



「なんでそんなに1人で頑張ろうとすんだよ…。いつからそんなに強くなったの?お前」



優空くん、それはね。



「優空くんが…皆がいるからだよ。いつだって支えてくれる皆がいるから、あたしも頑張れる」



これだけは胸を張って言えるんだ。



「心音…。分かった、行ってこいよ。ただし、何かあったらすぐ連絡して。心音がどこにいたって駆けつけるから」



「ありがとう…、約束する。…それじゃ、またね」



「うん」



優空くんの部屋を出たあたしは、すぐに叶愛(カンナ)ちゃんにLINEを送った。