黙って俺のモノになれ【下】



「……はぁー。何となく嫌な予感はしてました」



「ごめん湊叶。…でもさ、抜けがけは許さないよ、俺」



「そーだ!翔斗さんの言う通りだぜ!お前だけとかずりぃんだよ!」



抜けがけ…?


一体翔斗先輩は何を…。


だってこれは…………



「抜けがけっつーか、コンテストで優勝したから一緒にいるだけですけど」



…だよね……。



「だからそれがずるいって言ってんの!とにかく俺、この映画見たかったやつだから最初に戻して」



「リモコンそこにあるだろ?勝手にしろよ」



一気に賑やかになる室内。


それにしてもさっき………





─────『…俺さ、お前の……』





桐沢くんは何を言いかけたんだろう…。


でもまぁ別に気にしてる様子もないし、そんな大事な事じゃなかったのかな…?



「心音ちゃんもそんな端にいないでこっちおいでよ」



「…あ、はい」



結局その後は、皆とゲームしたり、トランプをしたりしてたら時間は過ぎていき。


何も特別なことは起きないまま、いつもと同じ賑やかな1日になった。


どうなることかと思ったけど…。


何だかこれがあたし達らしいと言えば、そうなのかも。


そう思うと何だか笑いがこみ上げてきて、あたしは声に出して笑った。



「……どうした?心音ちゃん」