【優空side】
自分の部屋に戻った俺は、すぐに皆を呼んだ。
「何だよ?優空」
携帯のメッセージを見た奏夢たちはぞくぞくと俺の部屋に集まる。
「ごめん。遅くなって」
歩結さんが入ってきて、全員揃ったことを確認した俺は皆に向かって深々と頭を下げた。
「すいません。俺、約束守れませんでした」
「急に何の話だよ?!」
「今日、心音ちゃんと何かあったの?」
今日心音と出かけるって事は、昨日の夜に話しておいた。
皆はずるいと言いつつも
“抜けがけはすんなよ”
そう言って今日のデートを許してくれたんだ。
……なのに俺は─────────
「…俺我慢出来なくて。心音に“好きだ”って、気持ち伝えました」
約束を破ってしまったんだ。
実を言うと今日、何度も言ってしまいそうな場面はあった。
けどその度に、奏夢たちに言われたことを思い出しては我慢したんだ。
でも…あの時だけは。
───『本当に綺麗な眺めですね…』
心音の横顔があまりにも綺麗で。
目を離せなくて。
告うのを、我慢せずにはいられなかった。
もちろん、ここにいる皆の事が頭に浮かばなかったわけじゃねー。
それでも気持ちを伝えたかった。