黙って俺のモノになれ【下】



「嬉しいです…!ありがとうございますっ」



「だからさ…そうじゃないんだけど。何で伝わんないかなー…」



「え?」



「何でも。それより早く行こう」



「はい」



「どっから行く?」



優空くんが水族館のマップを広げ、そう聞いてくる。



「…それじゃあ、こっちのブルーゾーンから回っていいですか?」



「いいよ」



こうしてあたしたちは水族館を回り始めた。














魚たちを見つつ、隣を歩く優空くんを盗み見る。


“ユウ”だってバレないように軽く変装はしてるけど…。


改めて見ると、本当にかっこいい…。


細身のジーパンと少し大きめな白シャツをスマートに着こなし、シャツの上にはカーキー色のアウター。


首元にはキラリと光る銀色のネックレス。


足元はハイカットのスニーカー。


そのどれもが普通の服なはずなのに…


似合いすぎてる…!


館内を歩いていると建物の中で最も明かりの少ない場所に出た。


そしてここにいるのは………



「クラゲだ…!」



クラゲやクリオネなど、あたしが大好きな生き物たち。



「なに、心音ってクラゲが好きなの?」



かけていたサングラスをたたんで自分の襟元にかけ、あたしの隣に並ぶ優空くん。



「はい。昔から大好きです…っ」



「ふーん。変なの」



「…と言うか。サングラス…取っちゃって大丈夫なんですか?」