どんな時でも彼らしく芯を持ってる奏夢くんにあたしはいつしか惹かれてた。
強引な言葉の奥にはいつも意味があって。
彼となら、きっとどんなことがあっても乗り越えられるって、
そう思えたんだ。
お母さんを失った悲しみや、過去の大人たちの裏切りにも負けない彼だけど。
「あたし、奏夢くんに寄り添える立派な彼女になるね」
あたしの前では弱さも見せられるくらい、あたしも強くなりたい。
「心音のくせに生意気だなっ」
「えへへ…」
繋がれた手の指が絡まり、奏夢くんが近づいてくる気配を感じたあたしはそっと目を閉じた。
今日から奏夢くんはあたしの''彼氏''。
唇のぬくもりが離れると同時に我に返ったあたしは顔の火照りを感じて奏夢くんから視線をそらす。
「ったく。こんなんで顔真っ赤にしてたらこの先もたねぇぞ?」
だけど奏夢くんがそれを許してくれるはずもなく。
再度奏夢くんの手によって顔をあげさせられた。
「お手柔らかにお願いします…」
ふっと奏夢くんは意地悪に笑うと、もう一度あたしに深く口づけをした。
お家が立派な奏夢くんとの恋は、想像以上の壁が待ち受けているかもしれないけれど。
お互いを信じあって、どんな風にも負けないように。
2人で強く生きていこうね、奏夢くん。



