あたしは─────────
「…奏夢くんっっ」
─────────君が好きだよ。
あたしの姿をとらえるなり、彼もこちらにズンズンと近寄ってくる。
手の届く距離になるとすぐにあたしの身体は奏夢くんに引き寄せられ
「俺のものになりにきたってことだよな?」
あっという間に彼の体温に包まれた。
「うん。返事に時間がかかってごめんね。あたしは奏夢くんが好きだよ」
最初こそ、この強引さに怯えてた部分もあったけど
「あたりめぇだ。心音の返事なんて聞かなくても分かってたっつーの」
今ではそれも含めて奏夢くんが愛おしいと思う。
強く聞こえる言葉とは裏腹に抱きしめる力はすごく優しくて、あたしの頬は自然と緩む。
「いつも前向きな気持ちにさせてくれてありがとう」
奏夢くんは感情の伝え方がすごくストレートで。
まっすぐだからこそ言葉が強くなってしまうこともあるけど…
振り返ればいつもその奏夢くんらしい言葉であたしの心を奮い立たせてくれてた。
「俺にふさわしい強い女であってくれなきゃ困るからな」
あたしが過去から前を向けたのも、少なからず奏夢くんの言葉があったからだと思う。
「そうだね。堂々と奏夢くんの隣にいれるようにあたし頑張るね」
「別に頑張る必要はねぇ。俺が惚れた女だぞ?お前はお前らしくいればいいんだよっ!」
奏夢くんが誰かに弱音を吐く姿はまだ見たことがないけれど。
「ありがとう…」
彼の全てを受け止めていけたらいいなって、そう思う。



