【心音side】



あれから2年後の3月─────────





「「「卒業、おめでとう!!!!!」」」



あたしたちは無事、卒業式を迎えた。



「3年間お疲れ様、皆」



「柊も。よく頑張ったな」



「本当。無事卒業出来て良かったよ(笑)」



あたしたちの“門出”ということで歩結先輩、楓先輩、翔斗先輩も駆けつけてくれ。



「先輩…お久しぶりです。ありがとうございます!」



夏に1度皆でご飯に行ったっきりで久しぶりの再会を果たした。



「先輩たち、変わらないっすね」



「お前もな、奏夢」



「優空、お前最近またテレビで引っ張りだこなんだってな。活躍してるのを見ると嬉しいよ」



「歩結さん、ありがとうございます。まだまだ頑張らねーとなんであんま油断は出来ないんですけどね」



「お前らは?順調みたいだな」



皆が絡む姿を微笑ましく見ていると隣には翔斗先輩がいた。



「はい。翔斗さんが入る隙間ねぇくらい順調です」



「ははっ。相変わらずラブラブそうで安心したよ(笑)卒業しても喧嘩するなよ?」



「心配ありがとうございます。こいつは手放すつもりねぇんで大丈夫です」



肩をだかれあたしは思わず湊叶を見る。



「バカ。恥ずかしいよ…」



「なんだよ、いつもの事だろ?」



「もぉ…っ」



「そう言えば結局、進路ってどうなったんだっけ?」



歩結先輩の質問にあたしたちは次々と答えていった。








1年早く卒業した先輩たちは今、それぞれの進路で頑張っている。


歩結先輩は弁護士になる目標を叶えるために国公立大学へ。


楓先輩は国家公務員になるための専門学校へ。


そして、翔斗先輩は美容師になる夢を見つけそのための専門学校へ。


進路は全然違うけど、それぞれの場所で一生懸命やっているんだなって会った時の雰囲気ですぐに分かった。