半ばやけくそにあたしは湊叶の名を連呼した。
「…ん」
これにはさすがに彼も満足したようで。
照れたようにはにかんだ。
「もう…その顔が反則なんだって…」
「なんか言ったか?」
「ううん!何も無いっ」
そう言って抱きしめる力を少し強めた時。
「まーたいちゃいちゃしてる」
優空くんら5人が揃って帰宅してきた。
慌ててあたしは湊叶から離れる。
けれど時すでに遅し…。
皆にはばっちり目撃されちゃったみたい…。
「いつもの事だろう」
「見飽きたぜ?俺は」
「まぁそう言うなよ、皆」
「見せつけるね、湊叶。羨ましいよ(笑)」
いつもと変わらないみんなの反応。
いつでも騒がしいあたしの大切な仲間。
学年が変わってもやっぱりここは居心地がいい。
「さぁ、新学年も頑張ろうか。あんまり問題起こさないようにね(笑)」
歩結先輩の言葉にあたしは苦笑い。
「心音…」
そっと名を呼ばれ、それぞれの部屋に戻っていく皆を横目にあたしは振り向くと。
「好きだよ」
優しく微笑み彼がそう言った。
「あたしも。大好きだよ」
ずっとずっと、君だけが好き。