黙って俺のモノになれ【下】











☆*☆*☆*☆*☆














「…ごめんっ。遅くなった」



「いえ、大丈夫です」



時間が経つのはあっという間で。


優空くんと約束をしてから1週間が経った。


あたしたちが待ち合わせたのは駅。


一緒に寮を出ても良かったんだけど…



────『途中で誰かに掴まると困るから』



優空くんがそう言うから別々にした。



「…じゃ、行こ」



「…はい」



こうして優空くんとのデートはスタートした。














「やっぱ人、多いな…」



「そうですね………」



あたしたちの今日の行き先は2駅先にある水族館。


駅に着いたはいいけど…人が多すぎてなかなか前に進めない…。


それに、この状態だと進めても優空くんとはぐれちゃうかもしれないし…。



「…ここで突っ立っててもしょうがないし。行こう」



人の波を見ながらぼーっとしていると突然、あたしの右手が優空くんの少し大きな左手に包み込まれた。



「っ…。あの、これは………」



「いや?」



「いえ…あの。嫌かと言われると、嫌ではないですけど……」



「うん。じゃ問題ねーな。それに俺、今日は“デート”だって言ったしね」



やっぱり本気だったんだ…。


でもあたし、デートとかよく分からないし…。



「っても心音が嫌がる事は絶対しねーから。楽しめばいい。な?」



「……はい!」