「…本当、お前って無自覚だよな」
「どーゆーこと?」
「別に。可愛いって言ったんだよ」
2分の1なんてかなりの高確率だって分かってるけど…。
それでもやっぱり緊張して。
どうしても湊叶くんと一緒がいいと思っちゃう。
そう思うあたしはかなり湊叶くんにベタ惚れだ。
「心音、湊叶。おはよ」
「優空くん!久しぶりだね。元気そうでよかった」
校舎の玄関をくぐれば優空くんがあたしたちに手を振った。
こうやってちゃんと会話をするのは1ヶ月ぶりくらいかな…。
「忙しそーだな。身体崩すなよ」
「言われなくても。じゃ、また後でっ」
優空くんとお別れをしたあたしたちはいよいよクラス発表がされている掲示板の前へ向かった。
「あ~、緊張してもうダメかも…」
「いいから、早く見てこいよ」
「え、湊叶くんは行かないの?」
「お前の口から聞く」
「もぉ…」
しぶしぶあたしは湊叶くんから離れ、1人名前を探しに行った。
柊 心音は…………………
「あ、あった…!」
名前を見つけた紙の上には2-B。
担任は変わらず透瑠先生だった。
次に探すのはもちろん湊叶くんの名前。
同じ紙に書かれていることを願いながら桐沢 湊叶の名前を探す。
「見つけた…っ」
湊叶くんの名前を見つけたあたしは急いで彼の元へ戻った。
「見つけたのかよ?」
「うん。あのね…」
少しもったいぶるように口を開く。
「早く言えよ…」
どこかソワソワしているように見える湊叶くんを見てあたしは
「クラス、同じだったよ!B組。一緒でよかったね」
そう湊叶くんの手を握った。



