黙って俺のモノになれ【下】



「うん、楽しみにしてる」



「…生意気」



あたしたちは目をあわせて笑いあった。



「そろそろ帰るか」



「うん、そうだね」



自然と繋がれた手にあたしは微笑みをこぼす。



「湊叶くん、今日初めて名前…呼んでくれたね」



「は?そうだっけ?」



「そうだよ」



好きな人から呼ばれる名前がこんなにも特別に感じるなんて思ってもなかった。



「前から呼んでた気ぃしてたわ。…心の中ではそう呼んでたから」



「そうなんだ…」



「そーやってすぐ照れんなよ。こっちまで移るから」



「それはっ、湊叶くんが…」



「はいはい、分かったから。帰るぞ」



「もぉ、待ってよ!」



この人が、今日からあたしの“彼氏”。










これからどんな付き合いが待ってるのかなんてそんな事は誰にもわからない。








それでもあたしは、湊叶くんと生きていきたい。









この気持ちだけはずっと見失わないように。













2人で乗り越えていこうね、湊叶くん。