黙って俺のモノになれ【下】



こうしてあたしたちはお客さんの待つホールへと足を進めた。













大事な人たちへの報告。










残るはあと2人────────────





「心音、何かあったらすぐ連絡しなさいね?いつでもあなたが帰ってくるの待ってるから」



「無理しない程度に頑張りなさい」



「心音、昨日はありがと。サッカー道具も心音と話したことも大事にする」



家を出る時。


家族3人に見送られあたしは笑顔で桜河へと戻った。

















「歩結先輩、戻りました」



「おかえり、心音ちゃん。報告ありがとう」



帰寮報告を終え、自分の部屋へ向かったあたしは携帯を取り出しある人へ電話をかけた。


残る2人のうちの1人である、叶愛ちゃんに。



“もしもし心音?どうかした?”



中学の時、仲良くしてくれた叶愛ちゃんには言い表せないほど感謝してる。


うまく言葉に出来なかったあたしを見捨てずにそばにいてくれた大切な友達。


突然男の子を避けるようになった理由も、無理には聞き出そうとしなかった。


あの頃、あたしは叶愛ちゃんの優しさに何度も何度も助けられた。


そんな叶愛ちゃんには伝えるべきだと思ったんだ。



「叶愛ちゃん。遅くにごめんね。どうしても伝えたいことがあって…」



一輝くんのことだって1番に応援してくれてた。


その応援を、無駄にしてしまったこと。


本当にごめんね…。



“全然いーよ!私まだ全然眠くないし”



「あのね、叶愛ちゃん。一輝くんのこと…たくさん相談に乗ってくれてたのにあんな形になっちゃって今更だけどごめん。この間ちゃんと話出来たから…」