黙って俺のモノになれ【下】



あたしは久しぶりに家へと帰宅した。


お父さんが戻ってきてからは初めての帰宅で。


出迎えられただけで少し涙が出そうになった。


あー、懐かしいな…


戻れてよかったな…


素直にそう思った。



「裕くん、決まった?」



今日は弟の裕くんとショッピング。


姉弟2人で出かけるのなんて本当久しぶり…。


目的は裕くんのサッカーで使うためのあれこれを買うため。


今日のところはいつも頑張ってるらしい裕くんにあたしからのプレゼントってことになってる。



「んー、これもかっこいいけどあっちも気になってる」



「そっか。そんなに高くないからどっちも買ってあげるよ?」



「え、まじで?!いいの?」



「ふふっ、いいよ」



すっかり男になってしまった裕くんだけど、こういうところを見るとやっぱり可愛いなって思う。


本来なら一緒に暮らしてるはずのあたしたちは寮生活になっちゃったからいつもはバラバラに過ごしてて…。


お互いに成長過程をそばで見れてないから成長期の裕くんは少し会わないだけで毎回驚くくらいに成長してる。


普段お姉ちゃんらしいことが全く出来てないからこんな日くらいはお姉ちゃんしたいなって思ったのがこのショッピングのきっかけだったりするんだけど…。



「心音。…ありがと」



ちゃんとお姉ちゃん出来てるかな…?



「ううん。サッカー頑張ってねっ」



裕くんが喜んでくれてよかった。