「あの、それで話って…?」



目の前に並ぶ6人の男の子たちにそう尋ねる。


すると言いにくそうに歩結先輩が口を開いた。



「…あのさ、心音ちゃん」



「…はい」



「一応、皆とのデートは済んだよね」



そこまで聞いて、先輩の言いたいことはある程度予想ができた。



「…はい。皆さん、あたしのわがままに付き合ってもらってありがとうございました」



あたしは先に提案をのんでくれたことに対して改めて深々と頭を下げた。



「…別にお前を急かしてーわけじゃねぇんだけど」



「心音、選べよ。俺たちもデートの話を聞いた時から覚悟はしてる」



なかなか言葉を紡げない歩結先輩に変わって湊叶くんと優空くんがそう言った。


…やっぱり、そうだよね。


待たせすぎるのも悪いことだって充分わかってる。


でも……………



「分かってる。このまま時間が過ぎていくのはよくないって。だけど…」



あたしはもう一度頭を下げた。



「もう少しだけ、あたしに時間をください…。わがまま言ってるのは重々分かってます。だけどそれでも、簡単に返事を出すことだけはしたくないんです。ちゃんと、考えてから答えを出したいんです…っ」



わがままを言ってるのは分かってる。


だけどもう少しだけ、少しだけでいい。



「心音ちゃん、顔上げてよ。そんなことで俺ら怒ったりしないから(笑)それと俺たちのためにたくさん考えてくれてありがとう」



「待つ。柊が納得出来るまで俺らは付き合うから」



翔斗先輩…楓先輩…。



「ありがとうございます…」



皆さんの優しさにもう少しだけ、甘えさせてください。



「そんな簡単に答えなんて出せないよね。無理言ってごめんね、心音ちゃん」



「いや、あたしの方こそごめんなさい…っ」



「なら、1週間後。それで答えは出るか?」



ずっとあたしたちの会話を聞いていた奏夢くんがそう質問をしてきた。