【心音side】



奏夢くんとのデートから3日…。


ある程度の結果は見えてきたんだけど…


それでもあたしはどこか決めきれずにいた。


それは、



『心音が傍にいてくれるだけで、俺は頑張れるから』



『心音ちゃんが大事なんだ』



『心音ちゃんが好き。大好きだよ』



『…俺を選べよ』



『俺は、お前だけを想ってるよ』



『俺以外を選ぶとかどーなってもしらねぇからな』



皆がどれだけ真剣にあたしを想ってくれてるのかが、痛いほど伝わってきたから。


この想いに優劣をつけていいのかなって、怖気付いてる。



「これじゃ、だめだよね…」



決めたのはあたし。


どんなに辛い結果になったって、きちんと伝えなきゃ…。


このままだと傷つくのは皆の方だ。


もう少し考えよう。


それで、皆の想いとちゃんと向き合って答えを出そう。





─────トントン





そう決めた時、扉をノックする音が聞こえた。



「はい…?」



「心音!よかった、いた」



「優空くん?」



「わり、ちょっとだけ入れて。すぐ済むから」



そう言い半ば強引に入ってきた優空くんの後には先輩たちや奏夢くん、湊叶くんの姿もあった。



「別に構わないけど…どうしたの?」



「うん、話は部屋で聞いてもらってもいいかな?」



歩結先輩にそう言われ、あたしは皆を中に招き入れた。