確かに、あたしに対する嫌悪感が薄れてきたのかなって思える場面もなかったわけじゃない。
それでも桐沢くん自体にそこまで変わりはなくて…。
それが変わり始めたのは…
文化祭の日から、かな…?
もちろんあたしには、桐沢くんに何があったのかなんて分からない。
「…シフト、まさか一緒になるなんてな」
もしかしたらあの日、愛実(ナルミ)ちゃんと何かあったのかもしれない。
「…そうですね。桐沢くんが入ったのはあたしより1年も後なのに…あたしよりも全然早くてスマートで。何だか情けなくなっちゃいました
…。迷惑かけてすいません…!」
もしかしたら何も無かったのかもしれない。
「…何言ってんだよ。お前だって十分頑張ってただろ。迷惑なんてかかってねーし、いちいち気にすんな」
「でも………」
「つか、俺もお前も最近始めたわけじゃねーんだし、差なんてほとんどねぇだろ」
それでも桐沢くんが変わったことは確かで。
「そうですね…」
「…だから、お前はお前らしくいればいーんじゃねぇの?」
時々、桐沢くんの言葉に戸惑ってしまう。
「ありがとう、ございます…」
「…別に」
歩く事数十分。
たどり着いた部屋の前。



