「怖かったから。あたしも人のこと言えないんだ…。逃げて、怯えて、立ち向かうことすらしなかった。だけど皆のおかげであたしは変われたから。感謝してる…」



「そんなの俺だって同じだよ。俺だけじゃねー、翔斗さんや奏夢たちだってお前のおかげで変わったことあると思う」



皆、言ってた。


心音はすげー女だって。


こいつのおかげで気づかなかったことに気づけたって。


皆お前に、感謝してるよ。



「そーだと、いいな…。こーして夜景を見てるとね、皆と仲良くなれてよかったなって素直に思ったから」



「そっか…」



「ねぇ優空くん」



「なに?」



「1つだけ聞いてもいい?」



心音は改まった様子でこちらを向いた。



「いーけど…」



「優空くんの周りにはさ、当然女優さんやモデルさんがたくさんいるよね?」



何を言い出すかと思えば…



「まぁ、一応仕事だからな」



「うん。…当然、同じ様に仕事をしてるだろうから顔も合わせるよね?」



「…うん。それが何?」



「あたしは、自分に自信が無いから。だから…どうして優空くんがこんなにもあたしを好きでいてくれるのかなって」



「はぁ…。そんな事?」



「だって、優空くんの周りにはあたしよりも綺麗で可愛くて、性格だっていい人はたくさんいるはずなのに…」



ったく、あんだけ伝えたのにまだ足りねーってこと?



「違う、そーじゃねぇ。お前だから好きなんだよ!」