「暗くなってきたね…」



「そうだな。そろそろお腹も膨れたか?」



「うん、お腹はいっぱいになったよ」



「それなら次に行こっか」



「次………?」



頭にハテナを浮かべる心音を連れて、俺は調べておいた特等席に向かった。














「ここって、この前の…」



「そう、この前俺たちがたどり着いた夜景スポット」



俺はこの場所を今日のために調べて、この夜景を見るための絶好の場所を見つけた。



「この前より、すごくいい眺めだね」



「…そーだな」



だけどそれは言わねー。


やっぱり男としてかっこよくありてーからかな。



「この場所、知ってたの?」



「いや、たまたまだろ」



「そっか…。ふふっ」



なんて、心音にはバレてる気もするけど…。


そんなの気にしねぇよ。



「不思議だね…」



「何が?」



「この光の分だけ、人がいるのにあたしたちはこうやって出会った」



「…うん」



「それって当たり前のように感じるけど奇跡なんだなーって思って」



「心音って時々、すげー事言うよな」



「え、ごめんっ。変だよね…」



「いや、変じゃねー。続けて」



そんなとこが、心音のいいとこだってこいつは気づいてねぇのかな。



「…うん。あたしはね、優空くんに出会えて。皆に出会えてよかったって思ってる。最初は…そうは思わなかったんだけど」



「知ってる。嫌がってたもんな」