黙って俺のモノになれ【下】



「じゃ、これ。ちゃんと渡したからね」



「ありがとうございます」



汐梨ちゃんからの手紙を手に、今度こそ寮に帰るためSKYを出た。



「………帰るぞ」



出るとお店の前にはフェンスにもたれかかる桐沢くんの姿があって。


その言葉からあたしの事を待っててくれたんだって分かった。



「すみません…。待ってもらっちゃって…」



「別に。どーせ同じとこ帰るんだし…つか、そんな待ってねーし」



「ありがとうございます…!」














────今日1日を過ごしてみて確信した。



桐沢くんが話をしてくれるようになった事。


会話が自然と続くようになった事。


目を合わせられるようになった事。


桐沢くんが







─────────すごく優しくなった事。






最初は気のせいかとも思った。


だけど…


バイトに一緒に行こうと誘ってくれた。


昨日、あたしの部屋までわざわざ来てくれた。


バイトでたくさん助けてくれた。


…………笑ってくれた。


前の桐沢くんならこんな事しなかったんじゃないかなって。


気づいたから……。