黙って俺のモノになれ【下】



「エントリー者他にいませんかー!カップルでもそーじゃなくても大歓迎ですよ~」



その声に次々と参加をしていく周りの人たち。


何だか…こーゆーステージはあまり得意じゃない。


だけど、皆幸せそうな顔してるし。


これはこれできっといいんだろうな…。


もしかしなくても、こういうイベントで結ばれるカップルも少なくはないのかもしれない。













前回、優空くんとデートをした帰り道。


あたしはお父さんと再会した。


きちんと家族で話し合って、お母さんは決断をした。


お母さんからはこの間連絡があって。



“お父さんと会えたよ。これから色々話し合って今後のことを決めていくつもり♪心配かけちゃってごめんなさいね?”



とか何とか、無事再会できたみたい。


よかった……。


お父さんからの話を聞いて、混乱していたあたしのそばにいてくれたのも。








───────優空くんだった。









きっと、ずっと待ってくれてたんだと思う。


あたしが勝手に寄り道しただけなのに、帰りが遅いからって心配してくれて。


心細かったあたしに寄り添ってくれた。


泣いていいよってあたしを甘やかしてくれた。


その後のフォローまでしてくれて…。


優空くんって本当、完璧だよね。


あの時、話せなくてごめんね。


でも…優空くんがそばにいてくれたから、あたしは冷静に決断することが出来た。






──────一輝くんに会いに行くこと。






それを伝えたのも優空くんだけだったよね。


優空くんには伝えておこうと思った。


伝えなきゃいけないって思ったんだ…。


そばにいてくれたから、


あたしの気の迷いに気づいていたから。