黙って俺のモノになれ【下】
















文化祭で迷子になったあたしを優空くんは探し出してくれた。


だけどその時の優空くんはいつもの雰囲気とはかけ離れていて…。


正直、戸惑った。


だけど話を聞けば聞くほど、優空くんは1人で寂しさを抱えていることが分かって。


違うんだよって、必死であたしの思いを伝えた。


モデル業をしてる優空くんの本当の気持ちは、言葉にしてくれないと絶対に分からなかったことで…。


綺麗なだけの仕事じゃないんだなって思った反面、それでも頑張れる優空くんは心からすごいと思った。


モデルだから…って考えている人は確かにそう少なくはないと思う。


だけど、そーやって周りの人を遠ざけるのはあまりにも辛すぎるから。


だから優空くんにはせめて寮の仲間、そして恒太くんの大切さに気づいて欲しかった。


あたしの気持ちが届いて、本当によかったな…。



「…心音?どーかした?」



「あ、ううん…っ。たこ焼き、美味しいなって思って。優空くんも1つ食べる?」



「じゃあもらう。ほら…」



そう言って口を開ける優空くん。


これは、もしかしなくても…。



「早くしろよ、心音」



「あ、はいっ…」



そうですよね……。


あたしは恥ずかしさを感じながらも優空くんの口にたこ焼きを持っていった。



「あっち…。うまいな」



「だ、だよね!」



「何動揺してんだよ(笑)」



「別に、してないよ!」



「ははっ。バレバレだし」