今まで女を冷たくあしらうことに罪悪感なんて芽生えたこともなかったのに。
こいつに対してだけは、少しずつ罪悪感が出てきた。
冷たくする度にしゅんと落ち込む姿を見て、初めて悪いと思ったんだ。
「湊叶くん、やっと順番回ってきたね」
「そーだな。次は迷惑かけんなよ」
「もうっ…。これは大丈夫だよ。湊叶くんがちゃんと考えて選んでくれたんだもん」
「別に…俺はなんも考えてねーよ」
少しずつ会話をするようになって、
義務的じゃなく、自分の意思でこいつと一緒にいるようになって。
俺は自然と笑顔をこぼすようになった。
普段から笑顔を見せることのない俺。
幼馴染の愛実でさえも俺が笑うのは貴重だって言ってたくらいだし。
最初は俺自身素直に笑ってる自分に驚いた。
「うわ、お前どこ狙ってんだよ」
「だって、上手く当たんない…」
「下手くそ」
「…頑張るもん」
「ふっ。いじけんなって」
今人気のアトラクションゲーム。
乗り物に乗って画面に出てくる敵を持ってる銃で撃ち落とす…というもの。
こーゆーのは苦手なのかさっきから当たってるのは俺の玉だけ……。
隣にいる心音を見ると画面に釘付けで、一生懸命で。
俺はこいつに気づかれないよう微笑んだ。
こんな姿も可愛いとか、俺重症だろ…。
こんなこと、絶対口にしねぇけど。
「ありがとうございました~!」
アトラクションゲームを出てからというもの…。
「いい加減、機嫌なおせよ。めんどくせぇ…」
「だってっ…!結局1発も当たんなかった……」
「勝てたんだからいいだろ?」
「そんなの全部湊叶くんの玉じゃん…」
あぁもー、本当めんどくせぇ女。
「ほら、次行くぞ。タラタラしてっとおいてくから」



