黙って俺のモノになれ【下】



この不意をついた優しさに少しだけ戸惑うこともある。


だけどこれを含めて湊叶くんだから…



「少し本気で考えちゃった…」



「バカじゃねーの。そんなめんどくせぇことしねーから。…まぁでもそんなに本気にしてたなら1つくらいはいうこと聞いてもらおーか」



ある意味これが湊叶くんの“素”なのかな。



「な、なに…?」



冷たいのは“フリ”。



「…今日1日思いっきり楽しめ。それで許してやるよ」



本当はとってもとっても優しい心の持ち主。



「それだけでいいの…?」



「あぁ」



ただ…それを周りに見せようとしないだけ。



「それならもう、達成してるよ。すっごく楽しいもん」



不器用で分かりにくい彼の優しさに、



「…あっそ」



あたしは気づくことが出来てよかった…。



「…よし、湊叶くんのおかげで落ち着いたし。次、行こっか」



「本当かよ。次は倒れても知らねーから」



「ほどほどにするよ…(笑)」



そう言いながらも湊叶くんが次に選んだのは、映像重視の割と大人しめなアトラクションゲームだった。














「やっぱここも多いか…」



「仕方ないよ…休日だもん」



目的地に着くもそのアトラクションも1時間半まち。


だけどあたしは案外苦痛じゃなかったりする。



「どーする?やめとく?」



「…いや、どこ行っても一緒だろ」



「そーだね」



だって…湊叶くんと話してたら1時間半なんてあっという間だから。